こんにちは!
今回は、先日実施した『若きブリコルール展―即興創作―』での様子や展示で生まれた作品などを3回にわたってお届けしていこうと思います!

ブリコルール(Bricoleur)とは、フランス語であらかじめ設計図や専用の素材を用意するのではなく、「その場にある限られた道具や材料を組み合わせて、新しいものを即興で創り出す人」を指す専門用語です。文化人類学者のクロード・レヴィ=ストロースが提示した概念です。

本展示は、様々な分野で学ぶ若者たちが、歴史と文化が根付く「江戸優りの町」佐原が纏う魅力をどう紐解き、何を想い、どういった形で新たな作品を紡ぐのか、彼らが「ブリコラージュ:在り合わせの道具や材料での創作」を通してゼロから作品を創るその「過程」も展示物として展示します。

今回は、5人と1チームの合計6組の若者たちが佐原で創作活動をしてくれました。
『小説』、『プロダクトデザイン』、『表現』、『IT教育』、『フードデザイン』、『ものづくり』とさまざまな活動をする若者がおり、昨年の『八人の若きブリコルール展』に引き続き、第2回目となる今回も多くの方々にご来場いただき、出展者との交流が見られました。

今回は、伊豫冬馬と清水虹希の2人の『即興創作』の様子をお伝えしていきます!
まずは、伊豫さんから。

伊豫さんは、観光に来るだけではわからない佐原の面白さをスケッチのように切り取った短編小説があるといいのではないかというアイデアのもと、「ざわざわさわら|短編小説集」を考えました。

その中の一作として、『小野川の船大工』を執筆しました。こちらは、小野川を舞台にした非常にコミカルな小説で、主人公は失恋のヤケで真夜中の小野川へ飛び込んだ大学生の田中。水底で意識を失いかけた彼を救ったのは、現代にはそぐわない「船大工」の姿をした奇妙な男。男との語らいの中で、逃げ続けてきた青年が初めて誰かと真っ向から向き合おうとするまでの心の機微を、佐原の情景とともに描き出した物語です。

伊豫さんは、本作品を創るまで町を歩く中で起きたこと、出会った人との会話、気づいたことを50mもの長さで紙に書き綴っており、その様子に圧倒されました。よくよくその巻物を見ると、さまざまな佐原での出来事がありありと書かれており、彼が体感する全てが物語の材料になってゆくのだなぁと感じ、『ざわざわさわら|短編小説集』の実現が非常に楽しみになりました。

こちらの小説の完成を楽しみにしてくれている方も多くおり、高校生がわざわざ再訪してくれ、完成した小説に夢中になってくれていた様子も見られました。

創作の際には、原稿用紙に書き綴る様子を大きな画面に写しており、着々と出来上がっていく様子が印象的で、非常に面白い展示空間になっていました。

次は、清水虹希さん。

清水さんは、佐原の町並みを歩き、魅了される中で、その疲れを癒す場所がないことに気づきました。そこで、一日中歩き回った疲れを芯から癒し、自分と静かに関わり直してゆっくりと過ごせる「余白」の時間を設計するため、漢方を使った薬湯『佐原湯:心身をほどく酒粕和漢湯』を考えました。

その特色は、「酒粕」です。佐原が誇る醸造文化の結晶である酒粕を乾燥させ、唐辛子やカルダモン、丁子といった力強い漢方スパイスと檜や月桃のクリアな香りをブレンドされています。温泉がなくても、この湯に浸かることでスパイスの力で心地よく汗を流すことができるのです。

清水さんは創作の過程で、漢方の基礎的な考えに立ち返り、今の時代になぜ漢方が必要なのかからじっくり考えていました。特色を出すための材料として酒粕に辿り着いてから非常にエネルギッシュに創作をしていたのが非常に印象に残っています。酒粕をうまく乾燥させるためにオーブンを使って少しずつ試行錯誤しながら粉にして、漢方スパイスと一緒にすり鉢ですっていくと、展示空間に酒粕の安心感がある甘い香りと、漢方の刺激的な香りが合わさり非常に厚みのある安らぎの香りで空間が満たされていました。

佐原を訪れた方々がこの薬湯『佐原湯』で癒しをとってもらうようになる日が待ち遠しいです。

ということで、今回は、伊豫さんと清水さんのお二人の創作の様子をお伝えしました!
次回は、竹本晴登さんと木村悠人さんの創作の様子をお伝えしようと思いますので、お楽しみに!

佐原みらい運河株式会社
落合 真弘











