こんにちは!
今回は、『若きブリコルール展―即興創作―』での様子や展示で生まれた作品などをお届けする記事の最終弾です!
今回は、後田将人とナガレモDIYチームの『即興創作』の様子をお伝えしていきます!
まずは、後田さんから。

後田さんは、クラフトジンジャーエールブランド「soyogi」の立ち上げを皮切りに日本全国で食に特化したプロダクト・サービスの開発、ブランディング、コミュニケーションデザイン等、幅広い領域でプロジェクトをされています。

昨年のブリコルール展にも参加していただき、昨年度の展示での最終アウトプットのひとつである「生姜焼きのタレ」をより深め、今年度は佐原で商品として展開することを想定した作品『佐原発酵生姜醤』を創作されました。

今回、後田さんが特にこだわって考えていたのが、「佐原らしさ」「風土」をいかにしてプロダクトに落とし込むかということでした。本を読むことを通して得た様々な佐原の要素。山車祭り、伊能家、立ち並ぶ町並み、そして商業振興の歴史……。佐原の軌跡を紐解くなかで後田さんが着目したのは、利根川の流れとともに発展してきた「醸造文化」でした。

また、リサーチを深める中での気づき。
「歴史や文化には、今に残っている理由がある。その『根拠』が失われ、ただの形骸化した観光資源になってしまうのは惜しい」

単に古いものを守る動きに終始するのではなく、新しいものを作り続ける心臓を。そのための媒体として彼が選んだのが、佐原に根づく醤油、味醂、酒の技術、そして「生姜」と「豚」の旨味を重ね合わせるアプローチでした。

何度も試作を重ねて完成された調合は、今までの生姜焼きの味に比べて生姜のスパイシーさが強くありながらも、コクがあることで落ち着きもあり、何度も食べたいと感じさせる味わいでした。

莫大なリサーチをただの知識として終わらせず、実際に「美味しい」と感動できる1本へとブリコラージュしていく様子は、圧巻でした。
次は、ナガレモDIYチーム。

ナガレモDIYチームは、佐原北にある元スナックの空き家「ナガレモ」をDIYする有志の学生チームです。千葉大学や國學院大学などのまちづくりに興味がる学生で、さまざまなきっかけから佐原が好きになり、熱心に活動をしてくれています。そんなDIYチームから、今回は7名参加してくれました!

今回の展示では、DIYで出た端材等を活用して「佐原の町並みを楽しむための道具」というテーマで創作をおこないました。気づきや考えることも多種多様で、非常にユニークな作品が集まりました!

こちらの作品は、「“キロク”フレーム」。佐原の町並みを見た時の写真という記録に対して、その時思ったことや感情と共に残せたらということで創作された作品です。枠の中は網戸になっていて、感情を書いたメモを貼れて、写真には映らないという仕掛けです。DIYで網戸が余っていたことを思い出し、面白い発想と掛け合わせて創作していく様子はまさにブリコルールでした。


続いて、大きなこちらは、「佐原のまちあるきにはこれ1台!」という作品です。人々が佐原の町並みを歩くときにカメラを持っていることに気づき、より良い写真が撮れることと、休憩できることを叶えるためのカメラ台を創作しました。椅子は収納ができ、底についているタイヤで移動することができる。そして、台の高さは橋や柵の高さより高くなるように調節してあり、障害物がうつらない綺麗な写真を撮れる工夫がしてあります。実際に町中を歩いている方々に使っていただくことができました!

佐原の商家のような形をしたこちらは、「佐原時渡り灯」。佐原の町並みを歩く時、昔の時代にタイムスリップした気持ちになれるように、夜の町並みをイメージしたランタンを創作しました。素敵な発想だなと思うと共に、1日だけでここまで形にできたことに驚きました!

2本の棒が紐で繋がったこちらは、なんと楽器です。小野川沿いを歩くと聴こえる柳の葉が擦れる音、川の音、人の声、、、いろんな音がある中で、ひとつ足りない音がある。木の音だ。そんな気づきから作られたこちらの作品は、ギロという楽器のように凸凹がある太い木に、丸い棒を擦り合わせることでコロコロとした木の音を奏でます。非常に面白いなと感じたのは、作者がギロを知らない状態で、ギロに近い作品をゼロから創作したことです。また、手軽に手に持って音を出せるという動きがとても心地よく何度も奏でたくなる楽器でした。

カラフルなこちらは、「落水の記憶」。ジャージャー橋の水が落ちる音からインスピレーションを得て、風鈴のような、音で空間を作る作品を創作しました。ガラスを割って、丁寧にやすりがけをして、色をつけてくっつける。丁寧な作業で、熱中して作っているのが印象的でした。また、作品に色があることでこんなにも賑やかさを感じられるんだなと気づきました。

最後は、こちらの下駄。作品名は、「こんなに歩くなんて雪駄いに無理!!! 伊能忠敬は桁(ケタ)違い!」というかなりユニークなものです。佐原で何か体験できるものをという思いをきっかけに、タイトルを考え、タイトルに引っ張られた形で創作を始めたそうです。(笑)履いてみると結構頑丈で、カランカランと音を鳴らしながら歩くのは非常に心躍る感覚がありました。

本展示で創作された作品の紹介は以上です。かなりこだわった作品からユニークな作品など多様な作品たちでした。

プロデュースをした私から見ても、想定を遥かに超えた気づきや創作があり、かなり濃い1週間でした。彼ら独自の佐原を見る視点や、休みの時間にも休まずに創作活動をしてしまう彼らの熱量に圧倒されつつも、彼らから得られるその視点や熱量を糧にもっともっと頑張って佐原の活動に取り組んでいこうと強く感じました。今後も、佐原の地にリスペクトと熱量を持って新しい風吹き込んでくれる若者たちと共に、よりワクワクする町にしていけたらなと思います。

佐原みらい運河株式会社
落合 真弘











